凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

とけ合い境界線が消えさる愛しかた

「とても暗い海の底に引き戻されるのが怖いの・・・」 大丈夫 君は 溶け合って 僕になる どこまでも近くなって ただその命を燃やすんだよ きらめく世界
きらめく世界

TVで毎年放送されるチャリティー番組が流れていた。その内容は、友人の多くを災害によって失った学生が、今は亡き友人とのことを綴った合唱曲を歌うというものだった。

確かに、そういった形で亡くなった人や離ればなれになった人を、「大切にする」という方法がある。決して、その人のことを忘れない。思い出を鮮明なまま保ち続ける。

ただ、僕にとっては、こういった方法はプレッシャーの強いものだとも感じてしまう。それが、素晴らしいと思う一方で、彼らが亡き友人のことを必死に、何度も、毎日思い出そうとすること、思い出は薄れることはないと確認し続けることをどこか重々しく感じてしまう。

人間は、まぬけで美しい。

できることなら、悲惨で過酷な状況に遭遇したことのある人も、まぬけであって欲しいと僕は思う。弱さを見せられない状況では、どこか一生懸命で正しい側面ばかりで毎日を生き抜こうとしてしまう。日々、オナラは作られ、チン毛だって抜けるけれど。

きっと毎日がんばって想いだそうとしなくたって、亡くなった友人は、君を恨まない。不謹慎な発言かもしれないけれど、君が一生懸命に彼を思い出そうとしなくたっていいし、忘れてしまう日があったって構わない。

夕暮れは 赤と黄色が待ち伏せてて 綺麗だった 遠目で見ても 分かるくらいのグラデーション こんなふうに 君と僕も 混ざり合えたらな いいのに

https://www.youtube.com/watch?v=nyatRRhuQ7s

きっと日常で親交のあった人との時間は、体の中に刻まれる。それは、呪いのように、愛のように、僕らの日々の行動の中に残ってしまう。友人に喋ったように人に語りかけ、友人のしぐさが自分の中に残痕し、それをまた別の人間に表していく。

もうどこからが彼の影響で、どこからが自分独自の行動かなんて分からなくなるくらい、日々を重ねる中でそれらは混ざり合って、あなたの一部になってしまっている。そしてまた、これからの時間で、あなたの中に馴染んでいってしまうだろう。

もう境界線なんてないんだよ。あなたが、あなたの命を燃やし続けるだけで、彼はある意味で生き続ける。そしてそれは、また、他者へ繋がり続け、世界をゆったりと覆っていく。

それでも、いつかは全てが終わって。二人で通学路を通った日々が、地下に忘れられた化石のように、息をひそめていくんだろう。

意味なんてないのかもしれない。でも、きっとそれだけでもいいんだ。