凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

有吉弘行の節約術

有吉弘行(著)の「お前なんかもう死んでいる」(Kindle price: ¥200)は、芸能人本としてよりも節約本として興味深かったです。

お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則

他者の浪費アドバイスを無視することの重要性

彼の芸能活動の中で構築された経済活動に対する姿勢は、ことばに惑わされないということだと思う。芸能界という派手な業界の中では、浪費(高級品を買ったり、後輩に奢ったりすること)を賞賛するような圧力が存在しており、それらをどうかわすかという所がしっかり考えられている。

 「稼いでるんだからもっといいところに住まなきゃダメだ」とか、「金は遣えば遣うほど入ってくるもんなんだ」とか、「いいところに住めばもっと稼ごうと思ってがんばれるんだ」とか、そういうこと言う人もいました。・・・でも僕はそういうの、全く信用してないですね。・・・  ちょっと金まわりがよくなったとか、給料上がったとかで、すぐに高い家賃のところに引っ越したりしたらダメなんですよ。家賃とか毎月かかるものに金かけちゃうと、あとで自分の首締めることになるんですよね。

固定支出を抑えることは家計管理の最も重要な部分です。特筆すべきは、その固定支出が周囲の口出しによって左右されそうな時に、一旦冷静になり、ある意味過剰にネガティブなほど守りに入るところは守っている部分です。

 ちょっと金まわりがよくなるとやりがちなのが、「もうちょっといいところに住みたい」と思って家賃高いところに引っ越すっていうのですけど、僕の場合、「絶対引っ越しなんかしねー!」と思いますね。  引っ越しとかありえないですから。家賃上げるのって一番バカバカしいと思うんですね。それでちょっといい部屋に移っちゃうと、家具揃えたり、電化製品やたら買ったりして、そうすると電気代もあがってバカにならないっていう。それで結局、金なくなったときに自分の首締めることになるんですよ。

この部分を読んで、テレビの家電芸人だとか、MONO特集などで感じていた違和感は、この辺りだったのだと府に落ちる感じがしました。

最近流行のコードレスの掃除機やらルンバ、電子機器などを増やしていくことも塵も積もれば山となり、公共料金を引き上げます。「買いたいときが買い替え時~」という言葉に乗せられて、ホイホイ家電を買いなおしていたら、後悔(意識)することすらできず、知らない間に出費がかさんでいくことになります。

貯蓄を残して死ぬことの捉えなおし

 「金貯めたまま死ぬ」って一番幸せな死に方だと思うんですよね。  たとえば、1億円残したまま、自宅でひっそり死んでるみたいな。そういう孤独死とか。でもそれは寂しい孤独死じゃなくて、理想的な死に方だと思うんですよ。 ・・・  そういう人って、金貯めてないと不安で仕方ないんです。通帳の残高見て心が安らぐっていう人なんですよね。だから金は貯めても遣わない。貯めることが目的なんで。本人は幸せなんです。金残したまま、心残りで死んでいったんじゃなくて、充実して死んでるんです。「ああ、気持ちよくしねた」ぐらいに思ってるはずです。

この「金を残して死ぬことが幸せ」という価値観は、ボクにとってはとても興味深いものでした。あの世に金は持っていけないということが当然であり、貯蓄を貯めこむ事が悪いことのように刷り込まれている部分があったのだと思います。マクロな経済を考えた場合には、確かに消費者がお金を使うことが必要なのでしょうが、自分の人生を守るという点では、そういったメディアの作り出す圧力に屈しないことが大切なのだと痛感しました。

また、本書では彼の芸能人生で舐めた辛酸がどんなものであったのかを垣間見ることもできます。現在の安定したポジションとは、似ても似つかぬハードな、後ろ指をさされるほど過激な仕事を彼はこなしてきたことも思い出せる一冊でした。

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有吉 弘行

双葉社
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