凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

日常・非日常が溶け合う「夕凪の街 桜の国」

Kindleで、心を奪われる体験をするとは思いませんでした。以前から、Amazonのオススメ商品であがっていた「夕凪の街 桜の国」がKindleで出ていたので買って読んでみました。

「広島のある日本のあるこの世界を 愛するすべての人へ」で始まるこの短いまんがが、この一週間、僕の気持ちを捉えて離しませんでした。詳細なレビューは、他の方がたくさんされています。

夕凪の街 桜の国 (Action comics)

どんな意見をもってもいい。ただ、読んでほしい。

ここでは、あとがきを引用します。

遠慮している場合ではない、原爆も戦争も経験しなくとも、それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉で、平和について考え、伝えてゆかねばならない筈でした。まんがを描く手が、わたしにそれを教え、勇気を与えてくれました。

この一文は、何気ないですが、私の中にモヤモヤとくすぶっていたものの形を見せてくれたように思います。これまでの自分は、何かについて考えるということは、自分の意見や主義主張、評価を持ち発信することだと思っていました。また、そういうモノを持てない対象には近づかないように私もしていました。しかし、自分の考えというものは最初からあるわけではなくて、見たり触れたり聞くといった体験を通したあとに形作られるのでしょう。答えを知っているから歩くのではなく、その歩みが未だ見ぬ発見に自分を近づけてくれる。

戦争や原爆や、政治について、個人が思うことは、誰も変えることはできない。他者の考えを僕は変えることはできないし、変える必要もありません。それでも、僕はこの本が広く読まれることを期待してやまない。例え、この本が否定的に評価されてたり、批判されたり、事実とは違うと言われようとも、それは個人の自由です。