凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

『おトク』の『悪意』

今日は、ちまたにあふれる「お得」情報の中に潜む悪意について書いてみます。

焦って得をするということ

「知らない人は損してるなあと思うこと」ってタイトルがホッテントリーにも良くあがってくるけど、それを読む度になんともシックリこないモヤモヤした心持になる。

こういうエントリーの背景には、「あっ 得しちゃった!ラッキー!」という喜びよりも、「自分は人より得をしている」という優越感だったり、損をすることから怯える姿が目に浮かぶ。「損をする」ことを避けるために、セカセカお得情報に飛びつかないといけないような切迫感を感じるわけです。

同じ感覚を、セブンイレブンのitunesカードのポイントボーナスキャンペーンや、楽天の期限付きポイント、激安品を大量に購入する人、マイルやクレジットカードのポイントを集めるために積極的にガンガン買い物をする人達に同様に感じます。
【iTunesカード】セブンイレブンnanacoカードで購入するとボーナスポイントが還元されるお得なキャンペーンがスタート!(2011年12月8日) - エキサイトニュース

タダより高いものはない・安物買いの銭失い

例えば、5000円のiTunesカードを購入すると500ポイントがもらえるみたいなキャンペーンがある。パッと見、お金を全然使っていないのにポイントもらえるなんてチョーお得!と感じられる。けれど、もう少しかたちを変えて考えると、これって一万円札を100円貰って全部小銭(もしくは商品券)に両替しているようなもの。
これって結構ハイリスクなんじゃないだろうか?実際の現金に置き換えるとそのリスクを生々しく感じられると思う。
一万円札と、一万円分の小銭では、そりゃあ後者の方をついつい使ってしまう。消費をさせようとする側からすれば、消費者としては最も抵抗感を覚える万札を崩すという障壁をどう突破しようかという所に強いアタックをかけているわけです。

まあ、ある意味では当然のことです。企業側としては、この不況の中でも従業員を抱えていて、その家族もいる。収益を上げないといけない。消費者の財布の紐をどーにか緩めようとしてるわけなんで、いろんな一見お得に見えるけど、裏では巧妙な歯車が回っているなんていう仕組みがいっぱいあるわけです。

楽天の期限つきポイントなどのキャンペーンにエントリーすることも僕は怖さを感じます。人間は、10万円しか持っていないだけであれば、そんなに不安を感じませんが、11万円持っているのに1万円を没収されるという状況になるとそれをどうにか避けようとします。これと一緒で、とりあえず多めにポイントを配分しておいて、期限が来てそれを失ってしまうよ!っと不安をあおり購買行動を引き起こそうとしているのです。結果としてその期限つきポイントより高額な商品を買ったり、送料とられたりと意識しにくい所でお金を削られます。
自身の家計を考えても、そういう時に購入したものは大抵余計な出費でした。企業としては、購買行動が少なくなってる消費者に買わないと損だとどうにか錯覚させようとしてきます、といってもそんなものにエントリーしなければ失う不安を感じなくてすむとも考えられます。

自分の生活習慣をこじ開けられるという損失

買う予定でないものを買う意味はほとんどない。というかメリットデメリットを比較すると自分にとってはデメリットが大きいです。

僕が、むしろやっていきたいのは、自分が本当に欲しい物を相応の対価を払って手に入れることです。そして、必要でないものに衝動的に飛び付かない事。

iTunes のカードをポイントつくから購入するってのも。あれをやって本当に得なのは、日常的に音楽をiTunes で購入する人で、コンビニも日常的に使う人。普段は音楽を手に入れることをレンタルで済まして、コンビニもあまりよらない寄らない人から見ると、iTunes Storeという自分がお金を使ってしまう場所で購入を“させられている”と考えることもできる。これが、将来の企業の利益になり、家計の損失になる可能性は十分ある。

こういった情報には、それで今まで知らなかったことを経験できるというメリットは確かにあります。けれど、自分の購入行動を他者から「拡げられる」経験をたくさんすること、それに対してあまりにも受動的になりすぎると恐らく貯蓄なんて夢のまた夢であると思う。

自分の収入と人生設計を考えると、そういう操作され過ぎる消費活動は割りに合わない。激安のコーラが売られてるからって、それを購入しないことは損だろうか?ポイントのためにカードを使うことは得だろうか?むしろ消費に対する真の主体性をなくしていっている様に見える。

主体的に消費活動を行うということ

自分が既に習慣的に行っている消費活動で、当たり前に貰えるポイントを貰うこと。申請することで受けられる補助を受けること。は得だと思う。自分の健康にもよくて、お金のかからない習慣を身に付けることも得だと思う。

なくて良いものの誘惑に負けないこと、手放す不安を乗り越えて身軽になること。本当に欲しい物を手に入れる、小さな貯蓄を積み重ねること。

購入の失敗はあって当然なんだけど、雰囲気に流されて、操作されてると知らずに、物を買い、気づかないことが問題なんだろう。単純で表面的な値札の数字しか読めない消費者ではいたくない。

あくまでもどんな価値基準に基づいてお金を使うか?という話だけれど、 往々にして得とみせかけて損させようとする人がいて、それを鵜呑みにする人、よく考えもせず拡散する人もいるので、今回はエントリーにまとめてみました。