凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

東京では見られない放射能についての番組

宮崎哲弥、金美齢、三宅久之、勝谷誠彦、辛坊治郎。東京でも売れっ子と呼ばれる政治評論家やジャーナリストが、週に1度わざわざ通って出演するテレビ番組がある。それは、「たかじんのそこまで言って委員会」である。現大阪府知事 橋下徹も以前出演しており、山口県の光市母子殺害事件の弁護団に懲戒請求を行うよう視聴者に呼びかけたことで番組名が一時的に有名になったことがある。この番組は現在東京では放送されていない。にもかかわらず、多くの著名人が足しげく大阪に通い、撮影に臨むのである。
私は、現在のTV番組の中で、この番組を一番楽しみにしている(といっても過言ではない)。私が見る番組はほとんどバラエティ番組だし、ニュースもチョコチョコしか見ない。この、そこまで言って委員会もバラエティ色が強いものの、時事ネタについての討論番組である。
番組の紹介をもっとしたいけれど、4月17日の放射能についての放送内容に話を移す。この日は、日本医学放射線学会理事、中村仁信が出演して、放射能の人体への影響についての解説をしていた。それが、現在全国ネットで放送されているニュース番組と著しく異なった切り口で、非常に印象に残ったので紹介する。

放射能についての放送内容

詳細はYoutube動画に譲るが、おもな内容は2点

1.慢性的に少量の放射線にさらされることは、身体に良い影響を与える可能性がある

放射能は少量でも有害、量が増えればドンドン悪影響が大きくなるというよりは、少量の放射能であれば免疫機能、抗酸化作用を高め、身体に良い影響を与える可能性がある。しかし、ある閾値を超えたところで人体にとっての悪影響が生じはじめる。また、その域値量は現在報道されている値よりも遥かに多い量であると考えられる。

2.放射能に被曝したことによって、がん死亡率が抑えられたとみられるデータが存在している



宮崎哲弥が指摘したように、このデータは科学法則として確定したものではない。あくまで、疫学データからの解釈であるし、活性酸素にしてもその因果関係が明確に確かめられているかは(私には)わからない。けれど、そういうデータが存在している。こういったデータを私は、福島原発の報道が始まってから、他の全国ネットのテレビ番組で見たことがない。


原子力反対、おれたちは騙されていた、被害者だ、政府は悪だ、放射能は悪い。こういった意見を持つ人からは、大きな批判を受ける可能性があるデータだ。もしこういったデータを放送すると、批判されることは目に見えている。けれど、批判される可能性があるからそういったデータがあるにもかかわらず、それを選択的に放送しないということがあったとすれば、それは、「隠蔽」と言えるのではないか?全国ネットのニュース番組が意図して隠蔽をしているとは言わないが、スポンサーに配慮し批判されることをおそれ、逃げ腰になることによって、結果として大切な情報を隠していることになっているのではないだろうか?

判断というのは、一方的な観点のみによってなされるべきものではない。政治であっても、科学であっても真実が明確にわかっていて絶対的な答えが用意されていることなんてほとんどない。ひとつの事象ついて、相反する研究結果やデータが存在し、それらがあることによって理論の発展、精緻化がなされているのだ。自分の立場にとって都合のいいデータも、都合の悪いデータも直視しなければ実態は見えてこない。今の報道をみていると、曖昧な状況で考える行為を放棄し、一方向的な側面に簡単にまとまり、攻撃しやすい対象を安易に批判しているように見えてならない。

地球温暖化との類似点

やや本筋からは外れるけれど、番組中、中村氏は再三再四、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準が実際の放射能の影響と乖離があるのではないかということ主張している。そこに対して勝谷誠彦は、地球温暖化とCO2の関連のように、実際の因果関係とは別のところで、巨額の研究資金や利権、イデオロギーによって作りあげられた物である可能性を指摘している。
科学史上最悪のスキャンダル?! “Climategate” | Chem-Station (ケムステ)

東京で放送されないということ

東京で放送をするということは、ある意味くだらない制約の中で発言をすることの義務を負わされることである。この番組を東京で放送したとすると、おそらく莫大な数の抗議の電話が鳴り響き、スポンサーから苦言が呈され、番組自体が排除されてしまうだろう。
それを許す(良く言えば)寛容さがローカル番組にはあると言っても良い(単に多くの人から見られないからということかもしれないが)。本当に思っていることを、きちんと自分の口から出す。その1点だけのために出演者がこぞって駆けつけるのだろう。
フジテレビなどで、ドラマのネット配信がされるようになってきた。この流れは、そこまで言って委員会をはじめとするローカル番組にとって大きなチャンスである。それは、お金の話しではない、本当に作りたいものを作るということ、番組にプライドを持つことへのチャンスである。地デジ化されて番組録画が簡単になった今、全国ネットで放送されているものを誰が金を出して買うんだろう?放送範囲が限定されているということがデータを入手することの価値を高める。もし、「水曜どうでしょう!」が全盛期で、ネットで有料で配信されるとしたらどうだろう?おそらく大きな売り上げが見込めるはずだ。
そうして、意味のあるコンテンツを作り、それがスポンサーとは関係なく収益を得られるような体制をつくることが可能なら、どこか誰かに気を使いながら加工されたような常識ではなくて、本音・本当の話しをより多く見聞きできるようになるのではないかと思う。ネット配信時代を、ぜひ地方ローカル番組に頑張ってもらいたい。


余計な話もしてしまったが、今回の「そこまで言って委員会」の内容を、東京、そして福島の人々にみてもらいたいと私は思った。そして、この情報を盲信しないでほしい。放射能・原発は良い/悪いと安易に思考を止めてしまうのではなく、情報の一部としてとらえ、考えるための選択肢の一部として活用してもらいたい。