凹レンズログ

くりかえす生活の雑感。まとまらぬままに。

「分かりやすい教え方」の技術

本エントリーでは、藤沢晃治著作の「分かりやすい教え方」の技術についてまとめます。本書は、基本的だけれど大切なことがしっかりと書かれています。誰にでも理解できるように、平易な表現が使用されていて、少し物足りなさを感じる部分はありますが、そこも腹八分目でとめるという本書の方針に合致しているんでしょう。


「分かりやすい教え方」の技術(ブルーバックス)
藤沢 晃治
講談社
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「教える」ことの定義とプロセス

「教える」が目的にするのは、生徒にstudyさせるだけでなく、learnさせることです。studyは勉強をすることで、learnは身につける(時間が経過しても知識・技能を失わない)ことです。「教える」ことは、生徒に何かを「身につけさせること」といえます。
知識や技能が身につくのは、「分かる」ことと、「定着させる」ことからなっています。そのためには、1.生徒の学習意欲を高め、信頼関係をつくることと、2.具体的な技術が必要になります。

1.生徒の学習意欲を高め、信頼関係を作る

先生が、生徒を見下し、理解ができないことにイライラしていたら学習意欲や信頼関係は築けません。「生徒に好かれる」か「生徒を好きになるか」は、「鶏が先か、卵が先か」と同じかもしれないので、まずは先生が生徒を好きになりましょう。そのための方法は、なんとなく肌の合わない人でも、その人の長所を3つあげてみるという方法があります。こうすることで、不思議と苦手意識が徐々に消えていきます。
また、教えることを通じで相手からも教えられることがある、自分も成長していけると考えれば、生徒にとっても尊重されている感じを与えます。また、生徒が自発的に学ぼうとする方法や、生徒独自の未知のルートを知ることは自分の「教える方法」を広げることになります。

2.教える技術

1生徒のレベルに合わせる 塾が学校に比べて指導が分かりやすい要因には、生徒の学力レベルによってクラス編成がされているという要因があります。学習意欲や習熟レベルが異なる生徒を一度に教えるのは決定的に不利な条件です。もし、生徒をグループに分けることが可能であれば3グループ程度に分け、そのレベル分けを時々チェックして組み換えをしていきましょう。
 個人に関しては、教える側から質問や確認などの働きかけを行い、生徒がついてきているかを把握する必要があります。


2「目標」を提示する 先に主要な学習のゴールを示す。個々の事例をバラバラに暗記するのではなく、背景にある「大きなルール」「大きな共通点」を理解し、気づく方が、応用力につながっていく。


3魔の挫折地帯を認識させる 教えた量とその効果は必ずとも比例しません。特に教え始めの頃は、いくら教えても、生徒は手ごたえが感じられない場合が良くあります。地道に努力を続けると、ある時突然、「そうか、分かった」となる瞬間(ブレイクポイント)がきます。そのブレイクポイントまでの、実力アップが自覚できない期間は、長くて辛く挫折しそうになります。そこで、ブレイクポイントの存在を含めた背腸の見通しを持たせることが重要です。


4目標を分解する 一見、非常に困難に思えることでも、そこに達するプロセスの一つ一つを分解していけば、不可能なことなど何一つありません。


5腹八分目を守る 満足度を上げるためには、講演などでも内容を詰め込みすぎない。複数の項目があっても、それらは等しく重要というわけではなく、重要事項のためにメリハリをつけなくてはいけません。


6褒めて伸ばす 生徒は、いわば暗闇を手探りで進んでいるようなもので、何が正しくて何が間違っているかわかっていません。正しくできた直後には、生徒はその動作の感覚などを覚えているので、すぐに褒めることが大切です。
生徒が間違った動作を行った直後には、ダメ出しをする必要があります。ダメだしをするときは、人格を否定してはダメです。改善点・境界線を教えてあげるという目的以外に生徒を否定しないように注意します。


7反復と映像化 分かるだけではなく、体得するまで繰り返させます。また、比喩は、馴染みのあることに喩えるとイメージ化しやすく、結果として分かりやすくなります。


8与えるより引き出す 入力しているだけでは、自分の不明点を自覚できず、出力しようとして初めてそれにきづきます。説明するばかりでなく、生徒に自発的に説明させましょう。

まとめ

このように、非常に分かりやすくまとまっています。文中で、以下の点は、教える側の初心者が間違えやすいところだと感じたので抜粋しておきます。

「褒めて伸ばす」のが良い生徒もいれば、「叱って伸ばす」のが合う生徒もいます。とはいっても、それは「褒める」と「叱る」の比率を6対4にするか、4対6にするかという程度の違いであって、全く褒めないのは論外です。


個人的に好きな表現が以下のものです。

ライバルを蹴落としたければ、そのライバルにどんどん教えなさい。一方的に教わるだけの人はどんどん馬鹿になります。